連休だったので、山に行こうと考えた。
夏の大雪山もそろそろおしまいの時期に入り、秋になると紅葉を求めて沢山の人で賑わうため、静かなうちに夏の表大雪を登っておこうと考えた。以前から念願だったお鉢平一周をしようと思い立った。(写真は昨年の縦走中に撮った御鉢平)
お鉢平はいろんな場所からアプローチ出来るが、一周するには時間がかかるため一番近い黒岳から行くのが一般的だ。
お鉢平は標高1900~2200m程度の山に囲まれたカルデラで、直径2km、その縁は一周登山道が付いており、表大雪の様々な山への分岐もあちこちにある。
ガイドブックには「いってみれば表大雪のロータリーのような場所」と書かれているが、一周4時間のロータリーなんてあまりにでかすぎる。
(写真は昨年北鎮岳頂上から撮影した御鉢の全景)
お鉢平は有毒温泉がわいており中は立ち入り禁止。以前はそこに人が入り込んで亡くなったり、クマも入り込んで死んだりしているようだ。しかし、そこはクマの目撃多発地帯で、今回もお鉢平展望台にはヒグマの生息状況を調査するために大学生が観察を続けていた。
お鉢平は縦走の時に部分部分は歩いたことがあるのだが、一周は歩いていなかったので、今回初めての道もあった。
予想外に前日の焼肉大会が長引いてしまい、おまけに帰ってからも眠れずに、悶々と過ごし、結局眠らないまま4時に札幌の自宅出発。黒岳は層雲峡から登るため、層雲峡温泉を目指して車を走らせる。
しかし、遠い・・・寝ていないこともあってすぐに眠くなってしまうが、そこは気合いで乗り切った。
高速に乗って少しした頃、道路の前方を飛んでいた鳥(たぶん雀)が避けきれずに私の車のフロントガラスに思いっきりぶつかった。ちょうど運転席、私の目の前でガラスに衝突、かなりの音がした。ガラスも割れずにすんだしハンドルもぶれなかったが「キャー!」と叫んでしまった(「うぉ~」と叫ばずに女の子らしい自分の叫び声に自分がビックリした(笑))。マジ怖かった。
そんなこともあり、そして安全運転を心がけている(笑)のでゆっくり走り、7時過ぎに層雲峡到着。準備をして7:40のロープウェイに乗ってリフトを乗り継いで8時過ぎから黒岳への登りを開始。
黒岳は登り1時間10分、手軽な山だ。
8合目を過ぎると「招き岩」が見えてくる。
ナナカマドの実も赤く色づき、キレイだった。
黒岳頂上。
頂上には他に2人居たのみ。
登山中もほとんど登っている人がいない。
ここから風がいきなり強くなる。
頂上から15分ほど下ると黒岳石室。北海道唯一の営業小屋。
風が強くて、小屋の頂上に取り付けられた風車がスゴイ勢いで回っていた。
山に囲まれたなかのこの小屋の風景は、私に「風の谷(ナウシカの住む所)」をイメージさせた。
(写真が悪くてそんな感じはしませんね(笑))
黒岳石室周辺は沢山の高山植物の花々でいっぱいで、思わず足を止めて見入ってしまう。(お花は後日紹介します)
岩場ではナキウサギの鳴き声が響いていたが、残念ながら本日は姿を見ることが出来なかった。
登り・下りとも同じロープウェイで登った女性がいたが、その人はここで日中ずっとナキウサギをカメラに収めようと頑張っていたそうだ。1日で25枚ほどのナキウサギの写真を撮ったと言っていた。
そこから北鎮分岐へ。以前ここの道は通ったことがあるが、他に前方に一人歩いているだけで、他には人がいない。非常に寂しい。私の気分を表しているかのように天気も下り坂で、相変わらず風は強く、雲の流れが早い。あっというまにお鉢平ごと雲に包まれてしまい、視界は時々開ける以外は10メートルくらいになってしまった。
このまま一周しても何も見えないのであれば面白くないし、引き返そうかなと考えながら、お鉢平展望台まで登った。前回の羊蹄山の時同様に寂しくて心細くなってしまったのだ。
少し視界はあったが期待した御鉢の景色はくすんでいた。天気予報は晴れてくるとの予報だったが信じがたい空だった。行こうか引き返そうか迷っていた時、先を歩いていた男性もそこで休んでいたので少し話しをした。
その方も、どうしようか迷っているとのこと。
「あなたが行くのだったら付いていくし、やめるんだったら私もやめます」と言われた。あちゃー、決定権は私か(笑)
まあここまで来たのだからできれば私は一周したかったし、とりあえず北鎮分岐まで登ったが、その先も道にはペイントがしっかりしてあって迷う心配もなさそうだったので天気は悪いが歩いてみようと提案し、その男性と即席の2人組パーティーを組んだ。
その男性は同じく今朝札幌から来たそうで、話しも合い、歩くペースもほとんど私と一緒(登りは私の方が若干早く、下りはその男性の方が若干早かった)で先頭を交代しながら、晴れ間を見ながら気に入ったところでお互い風景の写真を撮りながら歩いた。(その方は大きな三脚と一眼レフを持って登っていた)
北鎮岳は北海道第二の標高を持つ山で、晴れていれば登ろうと考えていたが、全く晴れる気配はなかったのであっさり諦めた(二度ほど登ったことがあるし)
歩いていると突然平坦なところに「中岳」の標識。こんな所が何故頂上??ずっと風が強くて常に一方向から吹き付けるので耳が痛くなった。それから、「中岳分岐」にて裾合平への道を分ける。
その後間宮岳を越えて、旭岳への分岐「間宮分岐」へ。この辺りが丁度行程の半分。写真でも出発点の黒岳が向こう正面に見える。(写真中央の一番高いところが黒岳)
この頃になると天気も晴れ間が増えてきた。青空も見えてきた。
その後「荒井岳」「松田岳」(標識はない)を越える頃には天気も回復してきた。そして、本当に唐突に風が止んだ。日も射してきたので御鉢を見ながら昼食。一緒の男性はいろいろと食べ物を分けてくれた。
私も行動食は持っているんですが・・・ありがたくいただく(笑)
それから「北海岳」へ登り、「北海岳分岐」を分け、黒岳石室に向けて下る。
この辺りも可憐な花々がきれいに咲いていた。まだチングルマやエゾコザクラなども咲いていて驚いた。
大きな雪渓を見ながら数度渡渉をして、この頃には天気も回復し、先ほどは全く見えなかった北鎮岳もくっきり姿を現した。反対周りを回れば登って展望を楽しめたかもしれない。そんな後悔がよぎりつつもキレイな水辺で休憩。パトロールの人もおり、話しをしながら景色を楽しんだ。
一周4時間の行程を歩いて黒岳石室に到着。
そこから黒岳に登り返し、そして下山。
出発してから7時間で(15時過ぎ)リフト乗り場に帰ってきた。
一緒の男性が居なかったら、前回同様辛い歩きになっていたかもしれないが、今回は話しをしながら楽しく歩くことが出来た。やっぱり誰かと登る山歩きは楽しいと改めて感じた。
帰りに用事があったので、温泉で汗を流してから帰ろうと思った。しかし、これがいけなかった・・・
17時に層雲峡出発。帰りの運転は眠くなってしまって、高速に乗っても怖くてスピードが出せない。高速道路を時速60kmで走ってしまった。(非常に迷惑な私)
空腹も限界で、パーキングエリアで夕食を取ったら、本当に眠くなり車の中で記憶を失う(=寝た)。
友人からのメールで目が覚めたら1時間以上も寝ていた。予定していた用事も既に行けない時間になっていた。(笑)温泉に入るのをやめておけば良かった。
総走行距離は400km超。7時間の歩きに加えて、この距離の運転はさすがに運転好きの私でもうんざりした。でも、楽しかったことには間違いない。
運転はほとんどが高速道路だったが、高速代金も往復で¥8000、ロープウェイ・リフト代往復¥2350、ガソリン代も¥4000以上かかり、山を楽しむにはちょっと出費がかかった。これで泊まりだったらホテル代もかかる。
黒岳はちょっと遠いなぁ。もっと札幌の近くにあればいいのに。
でも、夏の山の風景と高山植物を楽しめたので帰ってきてから大満足。
登っている時には後悔しかなかったのに(笑)
これだから、山はやめられない。